DXコンサルに裏切られた経営者がなぜ増えているのか。ウェイビーを含めた信頼できる支援者の見分け方
「コンサルを入れたのに、何も変わらなかった」
あなたも、こんな声を聞いたことはないでしょうか。
1万社を超える経営者と向き合ってきた中で、「DXコンサルで失敗した」という声が明らかに増えています。しかも「ハズレを引いた」という単純な話ではありません。構造的な問題が背景にあるわけです。
結論からお伝えします。DXコンサルへの失望には、「3つの構造的な原因」があります。そして、良い支援者を見分けるには「必ず問うべき7つの問い」があります。
今回はその全てを、ウェイビー自身への批判も含めて、正直に書いていきます。
なぜ今、「DXコンサルに騙された」という声が増えているのか

DXコンサルへの不信が急増した3つの構造的原因
- 補助金バブル:国の大量補助金投入が、実力不足のコンサルを大量に市場へ送り込んだ
- 定義の崩壊:「DXコンサル」というカテゴリに、全く質の異なる会社が混在している
- 導入で完結する設計:現場定着まで伴走しない「納品型」がスタンダードになってしまった
この3つが同時に起きた結果
- 選ぶ基準がない:経営者が外から質を見分ける手がかりが存在しない
- 失敗が見えにくい:「システムは入った」が「何も変わらない」という結果が1年後に出る
原因1:補助金バブルが「実力不足のコンサル」を大量に生んだ
2020年代前半、国が中小企業のIT化・DX推進に大量の補助金を投入しました。
その結果、何が起きたのか?
補助金申請の代行を入り口にした「コンサル商売」が急増したわけです。参入障壁が低いため、DX支援の実績も経営支援の経験もない会社が「DXコンサル」として名乗りを上げました。
補助金は採択された。でも、導入したシステムは誰も使いませんでした。月々の顧問料が続きました。何が変わったかわからないまま、1年後に契約が終わりました。
この構造は悪意というよりも、「実力が追いつかないまま市場だけ拡大した」という問題なわけです。
原因2:「DXコンサル」の定義が崩壊している
「DXコンサル」というカテゴリには、実は全く異なる会社が混在しています。
例えば、以下のような会社が全て「DXコンサル」として存在しているわけです。
- IT導入の補助金申請サポートだけをする会社
- 経営戦略を資料にまとめるだけの会社
- 特定ツールの販売代理店が「コンサル」を名乗っている会社
- 補助金申請代行が本業で、DXは建前の会社
経営者からすれば、どれが自社に合うのか、どれが誠実なのか、外から判断する手がかりがありません。これが「失敗」を生む最大の構造的な原因の一つです。
私は行政書士として年間1,000社を超える起業支援をしてきました。「専門家」という肩書きがついていても、中身は玉石混交です。これはDX業界だけの話ではないのです。
原因3:「導入で終わる設計」のまま市場が拡大した
多くのDXコンサルは「導入フェーズ」を成果物にしています。
システムを選んで、設定して、使い方を説明して、終わり。
でも、現場でシステムが定着するかどうかの勝負は、導入後の3〜6ヶ月です。この時期に「担当者が変わった」「使い方がわからなくなった」「なんとなく元のやり方に戻った」という事態が起きます。
導入で完結する設計では、このフォローができません。コンサル会社にとっては、短期で納品して次の案件へ移るほうが効率がいい。こうして「導入はした、でも定着しなかった」という結果が積み重なってきたわけです。
【実録:地方製造業・従業員28名】
DXコンサルとの1年間の契約後、出てきたのは60ページの報告書でした。現状分析・課題整理・優先順位・ToDo一覧。「で、これを誰が実行するんですか?」という問いに、担当者は答えられませんでした。地方の中小企業に、分厚い報告書を読んで自社で動ける余力があるスタッフは、普通いません。
DXコンサルに「やられやすい」5つのパターン
1万社超の支援現場を見てきて、失敗にはパターンがあります。
あなたの会社は今、どのパターンに近いでしょうか?
パターン1:「最初だけ代表、後は若手担当者」
最初の提案には、経験豊富な代表やシニアコンサルが来ます。話が合う、信頼できると感じる。そして契約します。
でも翌月から現場に来るのは、入社2〜3年目のスタッフです。
これはコンサル会社の構造的な問題なわけです。新規開拓にコストをかけた上位者が、運営フェーズまで継続して担当することは組織として成立しません。だから量産型の担当者で回す。
例えば、全国展開しているDXコンサルの多くは「提案チーム」と「実行チーム」が完全に分かれています。これがこのパターンを生む原因です。
確認すべき問い:「この案件を担当する方はどなたですか?」提案時の担当者が継続すると明言できる会社は、本物の可能性が高いです。
パターン2:成果物が「報告書」で終わる
3ヶ月のプロジェクトが終わりました。出てきたのは60ページのPowerPointです。
現状分析、課題の整理、優先順位、ToDo一覧。
「で、これを誰が実行するんですか?」
この問いに答えられないコンサル会社は、本当に多いわけです。彼らの仕事は「考えること」であり、「実行すること」ではない。それ自体は間違いではありません。でも地方の中小企業に、分厚い報告書を読んで自社で動ける余力があるスタッフは普通いません。
パターン3:ツールありきで話が進む
「今なら補助金が使えます。このシステムを入れましょう」
出発点がツールの話になっている場合は、要注意です。
本来の順序は「課題を整理する → 課題に合うツールを選ぶ」です。でも現実には、特定のSaaSの販売代理店であることを明示せず「御社に最適なシステムです」と話を進めるケースが少なくありません。
例えば、補助金の申請書に最初から特定ツールの型番が入っている場合は、ツールが先に決まっていると考えるべきです。
パターン4:「コンサルが卒業しない」
3年支援を受けているのに、自社は何一つ自走できていない。むしろ「担当者がいないと何もできない」状態が深まっています。
本当に良い支援者は、自分の仕事を「不要にすること」を目標にしています。依存関係を作ることが目的化している会社は、クライアントが成長すると困る構造を持っているわけです。
パターン5:導入事例が「某業種・匿名」しかない
「200社の導入実績」と書いてある。でも全ての事例が「某製造業(30名)」「某建設業(50名)」という匿名表記です。
匿名事例が悪いわけではありません。でも、実名・具体的なストーリーが1社もない場合は、実績を検証する手がかりが全くありません。
信頼できる支援者を見分ける「7つの問い」

騙されないための防衛策ではありません。本当に自社に必要な支援者を見つけるための問いです。
コンサル選びの場面でそのまま使えるよう、聞き方まで整理しました。ぜひ手元に置いてみてください。
【比較】旧来のコンサル選び vs 7つの問いを使った選び方
| 比較項目 | 旧来の選び方 | 7つの問いを使った選び方 |
|---|---|---|
| 判断基準 | 会社の知名度・提案資料の見栄え | 具体的な問いへの回答の中身 |
| 失敗事例 | 聞かない(雰囲気で判断) | 「失敗した事例を教えてください」と正面から聞く |
| 担当者 | 提案後に初めて知る | 契約前に担当者の継続を確認する |
問い1:「私たちの業種・規模で、具体的に何をしてきましたか?」
「200業種対応」という言葉は意味をなしません。
「あなたの業種・規模・地域で、どんな課題を、どうやって解決してきたか」を聞いてください。具体的な答えが返ってくる会社は、本物の経験があります。「お客様の状況に合わせて対応します」だけが返ってくる会社は、経験が浅い可能性が高いわけです。
問い2:「支援が終わる時、自社は何ができるようになっていますか?」
契約の「出口」を明確に描けている会社は、プロセスを持っています。
「状況によって変わります」だけで終わる会社は、目標を持っていないわけです。支援の終着点が見えていないまま始めると、終わりのない契約になりやすいです。
問い3:「御社自身は、DXで何を変えてきましたか?」
これは、実は本当に鋭い問いです。
「DXを支援しています」と言いながら、自社の業務は紙とメールと電話で回っている会社が実在します。自ら変革を経験した人間と、勉強だけした人間とでは、現場での深さが圧倒的に違います。
例えば、支援会社自身がAI・DXツールをどう使っているかを具体的に説明できるかどうかで、実践経験の有無が見えてきます。
問い4:「失敗した事例を教えてもらえますか?」
成功事例だけを語る会社は、信用しにくいです。
失敗から何を学んだか、失敗のどこに構造的な問題があったかを語れる会社は、現場を深く経験しています。失敗事例を正直に話せる会社は、誠実さと実力の両方を持っていることが多いわけです。
問い5:「担当者が変わった時、引き継ぎはどうなりますか?」
DX支援は1〜3年単位の話です。その間に担当者が変わることは当然あります。
引き継ぎの仕組みがないと、担当者が変わるたびに「ゼロからの関係づくり」になります。これは経営者にとって大きなストレスと時間コストです。
問い6:「私たちに合わないと思ったら、正直に言ってくれますか?」
これに「はい」と言える会社は、自社の利益より顧客の利益を優先できる文化を持っています。
「とにかく一度試してみましょう」しか言わない会社は、合わない顧客でも契約を取ろうとする傾向があります。これは長期的に見ると、双方にとって損なわけです。
問い7:「途中解約はできますか?条件はどうですか?」
誠実な会社ほど、途中解約の条件を明確にしています。
「成果が出なければ続ける必要はない」という前提があるからです。解約条件が曖昧、または異様に複雑な場合は、囲い込みを前提にした契約設計の可能性があります。
専門家の視点:ウェイビーは、この7つの問いに答えられるか
【視点:自社への正直な自己評価】
ここまで書いておいて、自社のことを正直に書かないのはフェアではありません。ウェイビーが上記7つの問いにどう答えるかを書きます。
【ウェイビーへの7つの問い、正直な回答】
問い1(業種・規模の実績):製造業・建設業・士業・介護・物流・小売など、地方の年商1〜30億円規模での支援が主体です。1万社超・200業種の現場で積み上げてきました。ただし、大企業向けの大型IT開発や高度なシステム構築には向いていません。そこは正直に言います。問い2(支援の出口):クライアントが自走できるようになった段階を出口として設計しています。具体的な卒業条件を、契約前に話し合います。
問い3(自社のDX):私たち自身がDXを実装しています。「デジ社長」(LINE活用の支援者向けSaaS)の開発・運営は、金融機関・自治体・メディアとの現場で磨かれてきたものです。
問い4(失敗事例):あります。「ツールは入ったが経営者が使う気になれなかった」「担当者が変わって定着が崩れた」という失敗を経験してきました。それが今のアプローチの土台になっています。
問い5(引き継ぎ):引き継ぎのプロセスはあります。でも正直に言えば、属人的な部分がまだ残っています。完全な仕組み化には至っておらず、改善中です。
問い6(合わない時):言います。「今の状況では費用対効果が出にくい」と判断した場合は、契約をお断りすることがあります。
問い7(途中解約):できます。契約書に明記しています。
ウェイビーを選ぶかどうかは、あなたが判断することです。
でも、どの会社を選ぶにしても、この7つの問いを投げかけてみてください。それに誠実に答えられる会社を選べば、少なくとも「何も変わらなかった」という結果にはなりにくいわけです。
まとめ:「誠実な支援者」を見分ける目を持っていきましょう
DXコンサルへの失望が広がっている背景には、3つの構造的な原因がありました。
- 補助金バブルで実力不足のまま参入した会社が増えた
- 「DXコンサル」の定義が崩壊した
- 導入フェーズで完結する設計のまま市場が拡大した
良い支援者を見つけるための問いは、難しくありません。でも、「雰囲気が誠実そう」という第一印象だけで判断を止めてしまうことが、失敗の起点になることが多いのです。
ぜひ、次の支援者選びや社内DXの見直しに、今日の視点を活用していきましょう。
【30分の現状ヒアリング、無料で受け付けています】
「今の支援者に不安がある」「そもそも何から始めればいいかわからない」。そういう段階からご相談いただけます。ウェイビーが合わないと判断した場合は、正直にお伝えします。
著者プロフィール
伊藤健太|株式会社ウェイビー 代表取締役CEO
1986年横浜市生まれ、熊本市在住。慶應義塾大学法学部卒業。行政書士として年間1,000社超の起業支援、1万社超の経営者支援実績を持つ。著書8冊。元徳島大学客員教授。ダボス会議 U33メンバー。全国講演700回以上(国・自治体・金融機関・上場企業)。東京都・熊本市スタートアップメンター。M&A4件の経験。
