クラウド会計ソフト比較。freee vs マネーフォワード vs 弥生。中小企業の選び方
「クラウド会計に移行したいが、どれを選べばいいかわからない」。
2,000社を超える支援の中で、私が最も多く聞く相談の一つだ。

freee・マネーフォワード・弥生。この3社がクラウド会計の主要3強だ。
しかしそれぞれ「向いている会社」が明確に違う。
間違った選択をすると、移行コストが無駄になる。
この記事で、自社に合う一択を見つけてほしい。
クラウド会計に移行するメリット
まず前提として、クラウド会計に移行する価値を確認しておく。
従来の会計ソフト(インストール型)は、バックアップが必要で、複数のPCからアクセスできない。
税理士との情報共有も、データをメールで送るなど手間がかかっていた。
クラウド会計はこの問題をすべて解決する。
銀行口座・クレジットカードと連携すれば、取引が自動で仕訳される。
レシートをスマホで撮影するだけで経費記録が完了する。
税理士ともリアルタイムでデータを共有できる。
結果として、月次の記帳作業が50〜70%削減された事例が多い。
クラウド会計の主なメリット
- 銀行自動連携:口座明細が毎日自動取得。手入力不要
- レシート読み取り:スマホ撮影で経費登録が完結
- 税理士共有:同じデータをリアルタイムで共有。メール送付不要
- インボイス・電子帳簿対応:制度改正への対応も自動アップデート
移行前の注意点
- 税理士との確認:担当税理士がどのソフトに慣れているか先に確認すること
- 過去データ移行:旧ソフトのデータ引き継ぎ方法は事前に確認必須
3ツールの価格帯(2026年版)

| ソフト | プラン | 月額(税抜) |
|---|---|---|
| freee会計 | スターター | 1,980円/月 |
| freee会計 | スタンダード | 3,980円/月 |
| マネーフォワードクラウド会計 | スモールビジネス | 3,630円/月 |
| マネーフォワードクラウド会計 | ビジネス | 5,940円/月 |
| 弥生会計オンライン | セルフプラン | 26,400円/年(約2,200円/月) |
| 弥生会計オンライン | ベーシックプラン | 42,900円/年(約3,575円/月) |
※価格は2026年6月時点の税抜参考価格。最新情報は各公式サイトで確認すること。
【比較表】3ツール徹底比較
【比較】freee vs マネーフォワード vs 弥生クラウド
| 比較軸 | freee会計 | マネーフォワードクラウド | 弥生会計オンライン |
|---|---|---|---|
| 月額費用(目安) | 1,980円〜 | 3,630円〜 | 2,200円〜(年払い) |
| 操作性 | 簿記知識不要。直感的 | 簿記ベース。やや専門的 | 旧来の会計ソフトに近い |
| 銀行連携 | 2,600以上の金融機関 | 3,000以上の金融機関 | 主要銀行対応 |
| 税理士連携 | 対応税理士多数 | 対応税理士最多水準 | 弥生PAP税理士が充実 |
| レシート読み取り | ◎(精度高い) | ◎ | ○ |
| 給与・勤怠との連携 | freeeシリーズ完結 | MFクラウドシリーズ完結 | 弥生給与との連携 |
| サポート | チャット・電話(プラン依存) | チャット・電話 | 電話サポート充実 |
freee会計の特徴
freeeの最大の強みは「簿記知識がなくても使える」設計だ。
仕訳という概念をほぼ意識せずに入力できる。
そのため、経理担当者がいない個人事業主や小規模法人に向いている。
スタートアップが多く使っているのもこの理由だ。
一方、シンプルさゆえに複雑な会計処理には限界がある。
製造業・建設業など、原価管理や部門別管理が必要な会社には物足りないケースもある。
freeeが向いているケース
- 経理の専任者がいない会社
- 個人事業主・フリーランスからの法人化
- スタートアップ・IT系・サービス業
freeeが向かないケース
- 原価計算・部門別管理が必要な製造業
- 税理士がfreee非対応の場合
マネーフォワードクラウド会計の特徴
マネーフォワードは「既存業務との親和性」が強みだ。
簿記ベースの入力画面は、これまで会計ソフトを使っていた担当者が違和感なく移行できる。
銀行・クレジットカードの連携数が業界最大水準なのも魅力だ。
レシート読み取り精度も高く、経費精算の効率化に特に効果が出やすい。
また、マネーフォワードクラウドシリーズ(給与・勤怠・経費精算・請求書)を一括で使えば、バックオフィス全体のデジタル化が一気に進む。
マネーフォワードが向いているケース
- 既存の会計業務フローを崩したくない
- 経理担当者が簿記の知識を持っている
- バックオフィス全体をまとめてデジタル化したい
マネーフォワードが向かないケース
- 経理ゼロから始める個人事業主・超小規模法人
- 月額コストを最小にしたい場合
弥生会計オンラインの特徴
弥生会計オンラインは「旧来の弥生ユーザーの移行先」として最適だ。
操作感が従来の弥生会計に近く、移行の学習コストが最も低い。
電話サポートが充実しており、デジタルに不慣れなスタッフがいる会社でも安心して使える。
弥生PAP(プロフェッショナル会計アドバイザー)という弥生認定税理士ネットワークも強みだ。
一方、freee・マネーフォワードと比べるとUI/UXはやや古い印象がある。
新規にクラウド会計を始める場合、他2社を先に検討することを勧める。
弥生が向いているケース
- 現在、弥生会計(デスクトップ版)を使用中
- 弥生PAP認定税理士に顧問を依頼している
- 電話でのサポートを重視する
弥生が向かないケース
- 会計ソフトを初めて使う
- モバイル中心で使いたい場合
支援事例
弥生会計デスクトップ版から弥生会計オンラインに移行。データがそのまま引き継がれ、移行作業は半日で完了。顧問税理士も同じ弥生ユーザーだったため、データ共有がスムーズになった。月次の記帳時間が月8時間から3時間に短縮。
— 建設業・18名・愛媛県
中小企業が選ぶべき結論

まず「担当税理士がどのソフトを使っているか」を確認する。
これが最初のフィルターだ。
税理士との連携のしやすさが、日常業務の効率に直結するからだ。
その上で次の基準で選ぶ。
選び方チェックリスト
- 経理ゼロから始める・個人事業主:freee(簿記不要・最安)
- 既存業務を崩したくない・簿記知識あり:マネーフォワード
- 現在弥生デスクトップを使用中:弥生会計オンライン
- バックオフィス全体をまとめたい:マネーフォワードクラウドシリーズ
まとめ
- freeeは簿記知識不要で最安。スタートアップ・個人事業主向け
- マネーフォワードは既存業務との親和性が高い。経理担当者向け
- 弥生は弥生ユーザーの移行に最適。電話サポートが充実
- 最初の判断基準は「税理士が何を使っているか」だ
どれが自社に合うか迷っている場合は、現状確認の上で具体的な移行計画を提案する。
著者プロフィール
伊藤健太|株式会社ウェイビー 代表取締役CEO
23歳、病気をきっかけに、小学校友人4名、資本金5万円で起業。
2011年から起業支援の行政書士として国内有数の年1,000社超の起業に携わる。
その後、売上アップ、仕組み化、新規事業、事業承継、AI、DX化など1万社超の起業家、経営者の成長支援をサポート。
「AI/DX」「起業」「新規事業」「M&A」領域で国、自治体、金融機関、上場企業からの信頼も厚く、全国700回を超える講演、著書7冊。
地域が主役の日本新時代をDX×チャレンジで創るべく、起業家、経営者の成長支援と、金融機関、新聞社、自治体向けのDX支援を展開。第一生命、広島銀行、島根銀行、熊日新聞、愛媛新聞、新日本海新聞、北日本新聞、熊本市、人吉市、美里町、山形県寒河江市、奈良県田原本町、愛媛県松前町、西条市などをご支援中。
肩書など
1986年横浜市生まれ、熊本市在住。慶應義塾大学法学部卒業。
元徳島大学客員教授。ダボス会議 U33メンバー。
東京都INCU Tokyoメンター
熊本市スタートアップメンター
