AI・コンサル

中小企業にDXコンサルは必要か。自社で進める場合との比較

📅 2026年07月05日
アキナイクロス

これは私自身が問われる問いだ。正直に答える。

中小企業にDXコンサルは必要か。自社で進める場合との比較

DXコンサルは、すべての中小企業に必要なわけではない。自社で十分に進められるケースもある。逆に、「安いから」「補助金が使えるから」という理由でコンサルを使って失敗するケースもある。

1万社以上の中小企業支援を通じて見てきた現実を、包み隠さず書く。


自社だけでDXを進められるケース

自社だけでDXを進められるケース

まず、コンサルが不要なケースを明確にしておく。

社内にIT人材がいる場合:クラウドツールの設定・運用・社員へのトレーニングができる人間が社内にいれば、多くのDX施策は自社で実行できる。SaaSのツールは年々使いやすくなっている。

課題が明確で、ツールを入れるだけの場合:「勤怠管理を紙からシステムに変える」「請求書をデジタル化する」という課題が明確なら、コンサルは不要だ。ツールを選んで導入するだけでいい。

経営者自身がITに詳しい場合:若い経営者や、IT業界出身の経営者なら、自分で調べて実行できる。コンサルフィーを払う必要はない。

【比較】自社推進 vs DXコンサル活用

比較項目 自社推進 DXコンサル活用
コスト ツール費用のみ コンサルフィー+ツール費用
スピード 遅くなりやすい(試行錯誤) 先行事例を活用して早い
社内定着 自分事になりやすい コンサル依存になるリスクあり

コンサルが有効なケース

反対に、コンサルを使った方がいいケースもある。

「何から始めるか」がわからない場合:DXを進めたいが何から手を付けるべきかわからない、という状態が続いているなら、外部の視点が有効だ。課題の整理と優先順位付けは、自社だけで行うと主観が入りやすい。

変革に社内の抵抗がある場合:「今まで通りでいい」という文化が強い会社では、経営者が言うより外部の専門家が言う方が動くことがある。これは悲しいことだが現実だ。

業界の先行事例を知りたい場合:「同業他社はどうやってDXしたのか」「このツールは自社の業種で実績があるか」という情報は、経験のあるコンサルから得る方が早い。

【実録:コンサルを使わずDXに失敗した事例】
建設業(従業員15名)。現場写真をクラウド管理するシステムを自社で選定・導入したが、現場作業員のスマートフォン操作が追いつかず、半年後に使われなくなった。「ツールを入れること」が目的になり、「現場が使える状態を作ること」が抜けていた。この会社がDX支援を求めてきた際、私が最初にしたのはツールの話ではなく「誰がどうやって使うか」の設計だった。

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良いDXコンサルの見分け方

良いDXコンサルの見分け方

コンサルを使うと決めた場合、誰を選ぶかが重要だ。悪いコンサルに当たると、お金と時間を無駄にする。

見分けるポイント

  1. 「まず現状ヒアリング」から始めるか:最初の提案が「こういうシステムを入れましょう」から始まるコンサルは危ない。現状を理解する前にソリューションを語る人間は信用しない。
  2. ツールやベンダーからのリベートがないか:特定のツールやベンダーを強く勧めてくる場合、そのコンサルがリベートを受けている可能性がある。利益相反がないかを確認する。
  3. 「自走」を最終目標にしているか:優れたコンサルは、クライアントがコンサルなしで動けるようになることを目標にする。いつまでもコンサルに依存させる仕組みを作るのは悪いコンサルだ。
  4. 同業種の支援実績があるか:業種によってDXの課題は大きく異なる。製造業と小売業では全く違う。自社の業種での実績を聞くこと。
  5. コンサル自身がITを使っているか:DXを支援する人間が、自分でAIやクラウドツールを日常的に使っていなければ話にならない。

よくある質問

Q. DXコンサルの相場はいくらか?

月次訪問型のコンサルで月5〜30万円程度が相場だ。大手コンサル会社は別だが、中小企業向けに特化した支援者の場合はこの範囲が多い。ウェイビーのコンサルティングはライト5万円/月から提供している。

Q. 補助金でコンサルフィーを賄えるか?

ものづくり補助金の「専門家経費」など、一部の補助金でコンサルフィーを対象経費に含められる場合がある。ただし補助金ありきでコンサルを選ぶのは危険で、「補助金が切れたら終わり」という関係にならないよう注意が必要だ。


まとめ

  • DXコンサルはすべての中小企業に必要なわけではない。自社IT人材がいれば自力で進められる
  • 「何から始めるかわからない」「社内の抵抗が強い」「業界の先行事例を知りたい」という状況ではコンサルが有効
  • 良いコンサルは「現状ヒアリング」から始め、「自走」を目標にする
  • ツールやベンダーのリベートがないか確認すること

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著者プロフィール

伊藤健太|株式会社ウェイビー 代表取締役CEO

23歳、病気をきっかけに、小学校友人4名、資本金5万円で起業。
2011年から起業支援の行政書士として国内有数の年1,000社超の起業に携わる。
その後、売上アップ、仕組み化、新規事業、事業承継、AI、DX化など1万社超の起業家、経営者の成長支援をサポート。
「AI/DX」「起業」「新規事業」「M&A」領域で国、自治体、金融機関、上場企業からの信頼も厚く、全国700回を超える講演、著書7冊。
地域が主役の日本新時代をDX×チャレンジで創るべく、起業家、経営者の成長支援と、金融機関、新聞社、自治体向けのDX支援を展開。

1986年横浜市生まれ、熊本市在住。慶應義塾大学法学部卒業。元徳島大学客員教授。ダボス会議 U33メンバー。東京都INCU Tokyoメンター。熊本市スタートアップメンター。